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美術家。1965年、日本に生まれる。石川雷太は、多種多様な引用(=サンプリング)によって構成されるインスタレーションを得意とする。鉄板や鉄パイプ、大量のガラスの破片、骨、血液、肉、放射性鉱物、武器、TVニュースの画像、ノイズ音、さらには観客の手によって実際にボードや壁に書き込まれてゆく言葉や絵まで。これらの一見唐突な、しかしラディカルな組み合わせは、私たちの古い思考のブレイクスルーを促し、新しい世界に向けてのヴィジョンを開く装置でもある。ノイズ・パフォーマンス・ユニット"Erehwon"の活動でも知られる。 Erehwon 美術家、石川雷太が主宰するノイズ・パフォーマンス・ユニット。昼間光城(メタルパーカッション、エレクトロニクス担当)とともに1997年より活動。鉄板や工業用スプリングなどの金属廃材の打撃音・摩擦音のライブ・ミックスによる演奏を行う。インダストリアル・エイジの「光」と「影」が映し込まれたそのサウンドは、現代に生きる我々にとって最もリアルで最も基礎的な、潜在的なBGMだといえる。物質主義や自然主義の立場から独自の哲学を表現する。 石川雷太 / Erehwonによるライブ・パフォーマンス 2006年「Wetween ECO & EGO」Kawaguchi Art Factory(川口)、2012年 「METALJUNCTION」桜台POOL(東京) 2011年「ノイズ・テロル・サブリミナル」パラボリカ・ビス(東京) |
026-METAL / 丹野賢一+石川雷太 丹野賢一(ダンサー)と石川雷太(美術家)のコラボレーション。舞台美術設計を石川雷太が担当。400枚の鉄板と鉄パイプによるインスタレーション。鉄板にはコンタクトマイクが取り付けられ、サウンドマシンとしても機能する。 2004年「丹野賢一+石川雷太/026-METAL」栗東芸術文化会館さきら(滋賀) 舞台装置、全景 026-METAL 資料展示 |
AUTOBAHN 〈鉄〉と〈電波〉と〈光〉と〈放射線〉を用いたこのインスタレーション。『AUTOBAHN』は、〈力〉と〈スピード〉を求める人間の欲望のメタファーである。 2011年「会津・漆の芸術祭~東北へのエール~」福島博物館、大和川酒造、他(喜多方、福島) 2011年「ノイズ・テロル・サブリミナル」パラボリカ・ビス(東京) 2010年「WAVE OBSESSION」Gallery TURNAROUND(仙台) 2006年「Wetween ECO & EGO」Kawaguchi Art Factory(川口) |
Flashpoints◇世界紛争Tシャツプロジェクト http://erehwon.jpn.org/flashpoints/ "Flashpoint"とは、英字メディアで紛争やテロを伝える見出し語です。 ある地域で着れば現実に殺されるかもしれない危険な記号をちりばめた〈着ることのできないTシャツ〉100枚によるインスタレーション。この作品は、20世紀以降、世界で実際に起きた紛争やテロを題材としています。チベット動乱、天安門、チェチェン、インティファーダ、水晶の夜、地下鉄サリン、ブランチ・ダビディアン、浅間山荘事件、東ティモール、自由アチェ運動、キプロス紛争、IRA、RAF、ETA、クルド人弾圧、ブラックパンサー、ラビン首相暗殺。言葉やイデオロギー、偏狭な「神」が如何に人々を殺し続けてきたか。 しかし、これらの記号は、日本のような高度消費社会では単なる商品、消費材として流通します。意味の漂白された記号。単なるスペクタクルとしての「死」。私達は「無自覚なまま〈他者〉を〈殺す〉ことができる〈高度資本主義〉の原理」の中に生きています。この作品は、そうした現実を描いたリアリズム作品です。すべての人々が〈未来〉に対して自覚的であるために。 2002 「Flashpoints◇世界紛争Tシャツプロジェクト」カノーヴァン(名古屋) 2003 「Flashpoints◇世界紛争Tシャツプロジェクト」現代ハイツ/GHギャラリー(東京) 2004 「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望2004」森美術館(東京) 2004 「フュージョン:日本の建築とデザイン」イスラエル美術館(イスラエル・エルサレム) 2005 「B.B.S.」多摩美術大学(東京) 2010 「表現される現在2010:ゼロイスト宣言」仙台メディアテーク(仙台) 2011 「ノイズ・テロル・サブリミナル」パラボリカ・ビス(東京) "Flashpoints" Post card |
GEWALT 2002年「GEWALT」時限美術計画/T.L.A.P.(東京) 2011年「ノイズ・テロル・サブリミナル」パラボリカ・ビス(東京) GEWALT 2004 2004年「府中ビエンナーレ −来るべき世界に」府中市美術館(東京) |
Fragment Project 赤板(赤い黒板)の上に、観客が自由に書き込むことで完成される掲示板型インスタレーション作品。断片の集積の中に世界が見える。 1997 「ドキュメント376」野外美術展(桐生) 1997 「Fragment Project」無限芸術研究所・上智大学教室(東京) 2004 「Between ECO & EGO」KAWAGUCHI ART FACTORY(川口) 2004 「府中ビエンナーレ −来るべき世界に」府中市美術館(東京) 2005 「B.B.S.」多摩美術大学(東京) 2009 「国際野外の表現展2009比企」東京電機大学鳩山キャンパス |
True romance 最も好意的な誤解が「ロマンス」の本質であるとするなら、私たち人間の自然への憧憬はまさに「ロマンス」である。作品『True Romance』の言葉は、自然との同一化の不可能性によって傷ついた私たちの血の言葉だ。 緑の風景が透けて見えるガラスは見えない壁のシンボルであり、工事用鉄パイプは、バベルの塔のごとく自然に近づこうとする私たち人間の、実体化した営みの痕跡だ。私たちにとって「自然」とは「外部」とは何だろうか? 1996年「ドキュメント376」野外美術展(桐生) 1997年「ディスコミュニケーション」駒場芸術研究所・東京大学駒場寮(東京) 2008年「国際野外の表現展2008比企」東京電機大学鳩山キャンパス 2010年「THE LIBRARY ASHIKAGA」足利市立美術館 |
[個 展] [グループ展] [その他の活動](Erehwon、舞台などから、主なもの) 2004 「Erehwon+丹野賢一/027-ERAME」府中市美術館(東京) [他、ノイズ・ユニット[Erehwon]として単独ライブ多数] |
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