事件名 |
米軍による結婚式誤爆 |
国 名 |
アフガニスタン |
年月日 | 2002年7月1日 |
詳 細 | |
闇の中では誰もが敵に見える。 祝砲も対空砲も同じ銃弾だ。 2002年7月1日、アフガニスタン南部ウルズガン州で7月1日未明、タリバン掃討作戦を進める米軍による爆撃で、一般市民48人が死亡、117人が負傷した。米軍は「対空砲による攻撃を受けたため応戦した」とのコメントを発表したが、実際には地上では地元の人々の結婚式の披露宴が行われていただけであり、アフガニスタンの伝統的習慣である祝砲を、飛行中の米軍機が攻撃と勘違いしたのである。 住民の話によると、爆撃は祝賀客が空に向けて銃を連射した直後に始り、ヘリコプターや大型機など計4種類の機影とともに、砲撃を受けて逃げまどう人々を数時間にわたって銃撃したという。それまで喜びに包まれていた結婚式会場は一変し、めちゃめちゃに破壊され、出席していた約300人はがれきに押しつぶされたり、爆弾や岩の破片を体に受けたという。現地は周囲を岩山で囲まれていて、結婚式会場に破片が降り注いだらしい。 だからといって、米軍のパイロットを責めることもできない。現に彼らが、人込みの中からいつ銃弾が撃ち込まれてくるかもわからい異常な環境の中に置かれていることは事実なのだから。多少の過剰防衛があったとしても、それは仕方のない選択である。しかし、空から銃を向けられ、地上で逃げまどうことしか許されない人々の選択肢は、それ以上に少ない。 ◇ アフガニスタンにおける空爆による民間人死者:3124〜3610人(2002年10月3日現在、米ニューハンプシャー大学のマーク・ヘロルド準教授=経済学=による集計) |
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