事件名
2.26事件

国 名

日本
年月日 1936年2月26日
詳 細

2.26事件は、青年将校たちが日本の将来を考え抜いたあげくに選択した、命を賭けたクーデター未遂だった。昭和初期の日本は、第一次世界大戦後の世界恐慌の影響でかってない不況であった。この2.26事件の前にも1932年2月の血盟団事件、5月の5.15事件など、政治改革を求めての右翼テロが次々に起こっている。だが彼らの希望は政治に反映することはなく、この頃を境に日本は軍部主導の政治へと邁進し、暗い時代への幕が開いていく。


1936年陸軍皇道派の青年将校が2月18日のクーデター計画にしたがい、第一師団、近衛師団の兵1400人を動員してクーデターを起こし、当時、政治の中枢にあった内大臣斉藤実、蔵相高橋是清、教育総監渡辺錠太郎らが殺害された(岡田啓介首相は即死と発表されたが生存)。天皇親政の国家体制をつくりあげる「昭和維新」の実現を目指したものだったが、この事件を、天皇は「反乱軍の決起」と解し、27日東京に戒厳令が布告され、反乱軍の討伐命令が下った。28〜29日、反乱軍は部隊に引き揚げ、反乱軍兵士に強い影響を与えた思想家北一輝ら国家主義関係者が逮捕され、翌1937年8月19日銃殺刑となった。
(浦野起央編著『20世紀世界紛争事典』三省堂刊(2000年)より抜粋)