事件名
ボド暴動

国 名

インド
年月日 1989年2月〜9月
詳 細

政府がひとつの民族の独立を認めれば、なしくずし的に多くの民族が独立を求めて蜂起する可能性がある。「武力蜂起による独立」という前例を作らないないために、インド政府はそうした運動を必死に押さえ込もうとしているのである。広大な領土と多くの異なった歴史と宗教を持つ民族によって構成されたインドは、 多くの火種を抱えているといえる。


アッサム地方の先住民ボド族が1989年2月10日のバス爆破テロに続き、17〜21日抗議のゼネストを行い、ボドランドの独立要求を打ち出した。その指導勢力は全ボド学生連合(ABSU)で、60万人のボド族の独立を目標としていた。3月31日、ストライキに突入したが、軍隊と衝突し、兵士4人が死亡した。7月にもABSUはゼネスト闘争を遂行、また8月の住民衝突では、90人以上が死亡した。9月6日、ボド族はイスラム教移民との衝突事件を起こし、治安回復のために軍隊が出動した。
(浦野起央編著『20世紀世界紛争事典』三省堂(2000年)より抜粋)