事件名
よど号事件

国 名

日本
年月日 1966年11月
詳 細

おそらく彼らも、そこに「ユートピア」を見たのである。しかし北朝鮮が必ずしも「ユートピア」ではなかったことは言うまでもない。イメージは何によって造られるのか。例えば、59年から84年まで行われた、9万3340人の在日朝鮮人は北朝鮮に渡った帰還事業の場合、左翼、マスコミ、朝鮮総連の「北朝鮮は地上の天国」という宣伝で渡航したケースが圧倒的に多い。「祖国建設のための帰還」として日本政府も超党派で支援した。


1970年3月31日、東京発福岡行き日航機ボーイング727よど号(乗員7人、乗客122人)が共産主義者同盟赤軍派の田宮高麿ら9人よりハイジャックされ、北朝鮮行きを命じられ、日本初のハイジャック事件となった。同機は福岡空港で給油し、ここで女性・子供・病人など23人を解放した。その後、よど号は韓国ソウル・金浦空港に着陸、同空港は韓国政府・米軍の協力によりピョンヤン空港に偽装した事が発覚して犯人達は硬化、橋本登美三郎日本運輸大臣らの説得に応じず、結局、山村新治日本運輸政治官が身代わりとなり、乗客全員とスチュワーデス4人を解放、4月3日北朝鮮へ到着。赤軍派9人は亡命し、山村次官と乗員3人は4月5日よど号で帰国した。この事件を契機に、日本では6月1日、航空機の強取等の処罰に関する法律が公布された。
(浦野起央編著『20世紀世界紛争事典』三省堂(2000年)より抜粋)