事件名
先住民虐殺

国 名

メキシコ
年月日 1997年12月
詳 細

サパティスタ民族解放軍(EZLN)は、94年1月1日に蜂起した、メキシコ最貧のチアパス州に住むマヤ系先住民によるゲリラ。彼らは、全体化したイデオロギーを拒否するポストモダンのゲリラともいわれ、ネットの利用も巧みで、トラックにパソコン器材を積み込んで情報発信しているという話しもある。95年6月には、みずからの主張についてメキシコと世界の民衆にその可否を問うことを発表し、「国民投票」とインターネットを利用した「国際諮問」を行った。現在サパティスタ解放区をはさんでメキシコ軍と休戦・対峙の状態にある。


1997年12月22日、チアパス州テェロナでサパティスタ民族解放軍(EZLN)支持の農民が武装集団に襲撃され、女性・子供36人を含む計45人が殺害された。EZLNは、政府と与党、制度革命党(PRI)によるEZLN壊滅作戦を非難した。政府は地方の同士打ちと主張したが、1998年1月に連邦検察庁は虐殺反グループに武器を渡した疑いで州警察高官を逮捕し、その自白から上層部の命令とわかった。このため1月3日チェアフェット内相が辞任し、7日チアバス州知事も辞任した。
(浦野起央編著『20世紀世界紛争事典』三省堂(2000年)より抜粋)