事件名
バスターミナル・テロ

国 名

スリランカ
年月日 1987年4月
詳 細

古代の「輝く島」という土地固有の意味を持つスリランカは、独立以前はポルトガル、オランダ、イギリスに植民地化されており、各々「セイラオ」、「ゼイラン」、「セイロン」と呼ばれていた。1948年に英連邦内の自治領として独立。この頃から、19世紀にセイロン島に連れてこられた移民労働者であるインド・タミル人の市民権と選挙権を剥奪するという政策が実施される。インド・タミル人に対する排斥運動を進めたのは、シンハラ人である初代首相のドン・S・セーナーナーヤカなどである。シンハラ人は、仏教徒が多く、スリランカの人口の3/4を占める民族である。それに対し、タミル人のほとんどはヒンディー教徒である。衝突の背景には、宗教の違いがある。


1981年から続くタミル暴動で1987年4月10日、政府は10日間の一方的停戦を発表し、タミル・イーラム解放の虎(LTTE)も同停戦を尊重すると発表した。しかし、4月17日、北東部トリンコマリー、ボロンナルワ両地区間のターミナル・バスなど5台が襲撃され、乗客のシンバラ人107人が射殺され、60人が負傷した。21にはコロンボのバス中央ターミナルでの爆弾テロで115人が死亡し、200人が負傷した。このコロンボテロでタミル過激派、イーラム学生革命機関とLTTEのゲリラ2人が逮捕された。政府軍は22日、政策を転換してジャフナを徹底的に爆撃し、5月26日ジャフナ解放作戦を発動した。
(浦野起央編著『20世紀世界紛争事典』三省堂(2000年)より抜粋)