事件名
アンマダン海域大韓航空機爆破テロ

国 名

南アジア域外
年月日 1987年11月29日
詳 細

昨年の日朝会談において、北朝鮮は日本人拉致の事実を認めた。北朝鮮は、87年の大韓航空機爆破への自国の関与を否定し続けてきたが、航空機爆破事件に関与した金賢姫元工作員の教育係であり偽造パスポートの調達役だった「李恩恵(リウネ)」が、拉致被害者、田口八重子さんであったことが判明している。国際テロが意外に身近な場所でも起こりうるという実例かもしれない。田口さんの消息は現在も不明である。「拉致された人たちは利用価値の高さからいって、ある程度の好待遇を受けるが、通常、工作員の教育係になった日本人は、工作員の顔を知っているので殺される。秘密保持上、5人を拉致すれば、3人は殺される」との関係者による証言もある。


1987年11月29日午後2時5分、ビルマのアンマダン海域上空で大韓航空機858便が空中爆破した。捜査の結果、日本人に偽装した北朝鮮の対南工作員責任者金正日の同年10月7日命令で、11月29日、バーレーン空港で時限爆弾をセットしたものと判明した。この事件は、1988年9月開催のソウル・オリンピックを阻止するための混乱工作とみなされた。 その後、関係者金賢姫が逮捕された。((浦野起央編著『20世紀世界紛争事典』三省堂(2000年)より抜粋)